東日本大震災記録集
「あの日の子どもたち」

宮城県連合小学校教育研究会国語研究部会

「発刊のことば」より  

この度、2012年刊「作文宮城60号」の特別編として、「あの日の子どもたち~東日本大震災記録集~」を発刊できましたこと、望外の喜びに存じます。既刊60号への掲載のいかんにかかわらず、震災関連の作品群をこのまま埋もれさせてはならないという編集委員の強い思いが、ここに結実しました。
未曽有の東日本大震災から早1年半。全国各地から多くの温かい援助の手が差し伸べられ、各所で復興・再生へ向けた懸命の努力が続けられています。そのような中、震災体験を乗り越え、時代を切り拓く力をもった子どもたちを育むために、今、国語研究部会としてできることを考えての決断でもありました。

○《母は海に流された後、必死の思いで流れている家屋の屋根にしがみつき、よじのぼり、九死に一生を得たそうです。母が帰ってこれたのは奇跡だといわれます。自分が死に直面したにもかかわらず人のために働く母の姿を見て、母の強さ、すばらしさを感じました。》

○《『しゅうくんのいちばん大切なものはなに。』ときかれたら、『かぞくです。』とぼくはこたえるよ。》
                (いずれも所収作文から)

私たちは、千年に一度といわれる大震災に立ち合った歴史の証人です。
ここに収められた震災直後から半年の間に綴られた詩や作文には、宮城の子どもたちが、震災とどう向き合い、何を学び、復興の先に何をどう描こうとしているのかが、率直に描き出されています。子どもたちが現実をうつす適当な言葉を見付け、苦労しながら自分なりの表現に整えていく過程こそ、大変重要なものと考えます。考えては書き、書いては考え、言葉とあれこれ格闘する中で、次第に自分の考えがはっきりしていく。
自分自身と向き合い、家族や学校、自然、命、ふるさとのありようについて問い直し、見つめ直す作業を辛抱強く繰り返すことが、ことばの力をつむぎ、未来を拓く教育につながるものでありましょう。そして、それらを発信していくことが、これまで支え励ましてくださった多くの方々への恩返しにもなると信じています。

本文480ページ
掲載数327作品

B5判
(変形判240×182)

1,770円
(税込み/送料別)



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